深まる疑惑…イラク日報「報告」遅れも官邸の指示なのか †財務省の文書改ざんに続く新たな疑惑だ。防衛省が存在を否定していた陸上自衛隊のイラク派遣部隊の日報が見つかった問題で、防衛相への報告が遅すぎるとして「組織的隠蔽」の疑いが深まっている。 陸上幕僚監部が問題の日報の存在を把握したのが2018年1月。2018年2月27日に統合幕僚監部へと報告した。ところが、肝心の小野寺への報告は2018年3月31日。発見から2カ月半、統幕報告から1カ月以上もかかっているのだ。 野党は、予算委での追及をかわすためにわざと報告を遅らせたのではないかと疑っている。疑念が湧くのは当然である。2018年度予算が成立したのが2018年3月28日で、あまりにタイミングが良すぎるからだ。民進党の岡田克也は、2018年4月3日の会見で「まるで予算委審議が終わるのを待っていたかのようだ。隠蔽の意図があったなら許し難い」と憤った。 渦中の小野寺は「丹念に探していた」として隠蔽については否定。2018年4月3日の野党合同ヒアリングでも防衛省は、報告の遅れについて「精査を重ねていた」の一点張りだった。 かたくなな防衛省の態度に官邸の関与を疑うのは民進党の小西洋之。「推測ですが」と前置きして、こう言う。 「防衛省はすでに南スーダン日報問題というあれだけの事件を起こしている。防衛省で抱えきれる問題ではないので、官邸に相談し、『公表はちょっと待ってくれ』と指示された可能性があります。今井が『森友文書に加えて、防衛省の問題まで出たら内閣が持たない。自民党大会もあるから予算が成立した後にしろ』と言ったのではないか」 安倍晋三官邸ならやりかねないから恐ろしい。 |