流出ネム、半数交換か 290億円分、他の仮想通貨に †仮想通貨交換業者コインチェックから約580億円分の仮想通貨「NEM(ネム)」が流出した事件で、犯人側が匿名性の高い「ダーク(闇)ウェブ」のサイトを介して、流出ネム全体の半数に当たる290億円分(流出当時のレートで計算)以上をビットコインなど他の仮想通貨に交換した疑いがあることが2018年3月17日、情報セキュリティー専門家への取材で分かった。 マネーロンダリング(資金洗浄)が目的とみられる。交換されたビットコインなどは、さらに別の仮想通貨に交換されたり現金化されたりした可能性もある。ネムの追跡・回収は一層困難になった。捜査が長期化する恐れもある。 セキュリティー専門家はネット上に公開されたネムの取引記録などから分析した。犯人側はダークウェブ上に交換サイトを開設。交換は2018年2月7日に始まり、2018年3月に入ってからも続いている。このまま有効な対策が取られなければ、約580億円の全額が洗浄されてしまう可能性もある。 国際団体「ネム財団」は、不正送金に関わった口座に目印を付けて流出ネムを追跡している。財団は、目印の付いた口座からネムの入金があった場合に取引に応じないよう、世界各国の仮想通貨交換業者に協力を要請している。 しかし、さまざまな手口で目印が消される例も増えており、対策は後手に回っている。ネムの送金が増えた交換業者が対策を取ると、別の業者が悪用される状況が続いているという。 |