柳瀬唯夫「記憶にない」で逃げ切れば次官昇格の可能性 †「本件は安倍晋三案件」――。愛媛県や今治市、さらに加計学園の職員と安倍晋三官邸で面会し、獣医学部新設について「本件は安倍晋三案件となっており」と発言していたことが明らかになった柳瀬唯夫。 柳瀬唯夫は「記憶の限りでは、愛媛県や今治市の方にお会いしたことはない」と釈明しているが、県職員の備忘録には発言が詳細に記されている。もはや言い逃れは利かない。さすがに、自民党も柳瀬唯夫の国会招致を認める方向だ。 経産省出身の柳瀬唯夫は、2012年末の安倍晋三政権発足から2015年8月まで首相秘書官を務め、国家戦略特区などを担当。現在は経産省に戻り、事務次官に次ぐナンバー2の審議官。愛媛県の職員などと面会したのは、2015年4月2日だ。 柳瀬唯夫が今治市の職員と官邸で面会したかどうかは、2017年7月にも問題になり、参考人として国会に呼ばれた柳瀬唯夫は、「記憶にない」を7回も連発して、野党から批判を浴びている。果たして、どんな人物なのか。 「中高一貫の名門校“武蔵”から東大法に進み、1984年に旧通産省に入省したエリート。麻生太郎政権でも首相秘書官を務め、その仕事ぶりが評価されて安倍晋三政権でも秘書官に起用された。秘書官経験者が、別の首相に仕えるのは異例です。経産省では原子力政策課長だった2006年に、原発の輸出を進める“原子力立国計画”をまとめています」(経産省関係者) 「フットワークが軽く、思ったことを口にするが、裏で暗躍するタイプではありません。同情するのは、同じ経産省出身の2期上の先輩、今井尚哉が政務の首相秘書官として官邸を差配していることです。先輩の上、立場も上なので、下働きせざるを得なかったのでしょう。しかも、今井の陰に隠れているだけでは、安倍晋三に評価されないので、安倍晋三のために無理したはずです」(霞が関関係者) 「記憶にない」と安倍晋三を守り切れば、この夏、次官に出世する可能性が高いという。 |