安倍晋三はなぜ在韓米軍の削減や撤退に反対するのか? †東アジアの平和や安定を最も望んでいないのは安倍晋三だった!?ドナルド・トランプが安倍晋三と2018年4月に会談した際、韓国、北朝鮮の将来の統一を見据え、在韓米軍の削減や撤退の可能性を示唆していた――と、2018年5月5日の読売新聞が報じた。米紙ニューヨーク・タイムズも、ドナルド・トランプが在韓米軍の規模削減を検討するよう国防総省に指示していたと報道。初の米朝首脳会談に向けた“地ならし”が着々と進んでいる様子がうかがえるが、そんな在韓米軍の縮小について「東アジアの軍事バランスを崩す」として待ったをかけているのが安倍晋三だ。 〈「制裁」だの「圧迫」だのという陳腐な言葉を並び立てて行動していると、仲間外れの立場から抜け出せなくなる〉 〈米国のボスに請託し、周辺大国に懇願しながら、あらゆる権謀術策を使っているが、その悪い癖を捨てない限り、1億年経っても我々の神聖な地を踏むことは出来ない〉 2018年5月6日付の朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」は、南北会談や米朝会談などの枠組みから完全に蚊帳の外に置かれた日本をケチョンケチョン。 パーティーに呼ばれてもいないクセに、主役気取りで「上から目線」発言を繰り返す安倍晋三政権のトンチンカンぶりをこう皮肉っていたが、安倍晋三が在韓米軍の規模縮小に反対する理由も意味不明である。 仮に南北統一が実現すれば、もはや「北朝鮮の脅威」も、在沖米軍の存在意義も薄れる。そもそも、安倍晋三の主張は、米国を中心とした連合軍から「押しつけられた憲法」による統治体制を見直す「戦後レジームからの脱却」だったハズだ。南北統一で「戦後レジームからの脱却」が実現する可能性が高まるのであれば、安倍晋三が横ヤリを入れる必要はないだろう。 在沖米軍の現状を見ても、米軍はいまだに治外法権状態だ。2016年4月に発生した米軍属兵士による女性暴行殺人事件でも、那覇地裁は殺人罪などで無期懲役刑を受けた元海兵隊員ケネス・フランクリン・シンザト被告に賠償金の支払いを命じる決定を出したが、米側は米軍の直接雇用ではないとして支払いを拒否している。 南北統一で、アジア諸国に駐留する米軍の規模が縮小し、今の最悪の状況が少しでも改善されるかもしれないのに、なぜ、安倍晋三は反対なのか。元外交官の天木直人はこうみる。 「在韓米軍が縮小された場合、将来は東アジアなどで中国軍が台頭する機会が増えるかもしれない。そう考えて安倍晋三は日米軍事同盟の必要性を訴え、在韓米軍の縮小に難色を示しているのでしょう。他方、それは日本の主権を放棄していることにもつながります。結局、すべてを米軍任せだからです。今こそ、平和憲法を軸に自立した外交を目指すべき時ではないでしょうか」 単にカネをバラまくことが最善の外交だと勘違いしている安倍晋三政権。無為無策のツケが今後、どう表れるか分からない。 |