とうがらし †とうがらし(唐辛子)とは、辛い野菜の代名詞である。またそれを加工して作った調味料。 概要 †【分類】ナス目ナス科トウガラシ属 中南米原産。辛い果実は食用として重要で、本種は世界で最も多く生産されている香辛料である。辛味成分はカプサイシン。 熟した赤いもののほか、未熟な青唐辛子も食用になる。葉も食用になり(葉唐辛子)、これは煮物や佃煮にする。緑色の未熟果は味噌焼き・煮物・揚げ物など、熟果はキムチ・ラー油・豆板醤・チリソース・タバスコなどの調味料や、辛子明太子・ペペロンチーノ・らっきょの酢漬けなどの料理に用いられる。 中国料理(特に四川料理)・韓国料理・タイ料理・インド料理・メキシコ料理などでは非常に重要な食材である。日本においては、とうがらしは香辛料の中では最も新参の部類に入り、伝統的な料理には用いられていないが、唐辛子をすりつぶして粉状にした一味唐辛子や唐辛子をベースに他の香辛料を混ぜた七味唐辛子はよく使用されており、うどんの薬味においては七味唐辛子が胡椒を完全に追いやった形になった。沖縄では島唐辛子が栽培されており、それを使った調味料「こーれーぐーす」が親しまれている。 最大の生産国はインド、最大の消費国はタイである。これらの国では香辛料を日常的に大量に使用するので、人々は幼い頃から胃が鍛えられており、大量のとうがらしを食べても平気なのである。普段食べなれていない者が突然大量に摂取するのは危険である。特に尻が。何にせよ食べ過ぎると、数日間は地獄のような苦しみが待っている(※実際に食べてみることをおすすめしますが、自己責任でお願いします)。 その他の利用 †テレビ番組では罰ゲームにおいて、視聴者の笑いを誘う事を目的として用いられる。また、その皮膚刺激性を利用して、古来から懲罰・拷問・魔除けに用いられてきた。インカ帝国の人々はコンキスタドーレに対して、山盛りのとうがらしを燃やして目くらましにするなど、武器として使用したという。 防犯用(痴漢よけ)のスプレーには、トウガラシエキスを噴射するものがある。これが目に入ると痛みを引き起こし、一時的に視力を奪うが、後遺症が一切残らないので好んで用いられている。また、このことから分かる通り、料理中に唐辛子をいじった手で目をこすると地獄を見るので注意が必要。 果実の抽出物は食品・医薬品・化粧品産業で広く用いられる。化粧品にとうがらしというと意外かもしれないが、刺激剤・血行促進剤の役目を果たすので、ごく微量が加えられていることがある。 とうがらしの仲間たち †とうがらしの仲間には、カプサイシンを含まず、辛くない実をつけるものもある。特に、トウガラシとピーマン(パプリカ)は植物学的には同種で、その境界があいまいな品種もある。逆に辛い唐辛子で有名なのは、ハバネロやブート・ジョロキアなどである。 果実を乾燥させた形状を喩えて「鷹の爪」という品種があるが、これは日本の唐辛子の中で最も辛い品種である。辛味づけに用いられ、これを粉末にしたものが一味唐辛子で、さらに山椒や胡麻などの薬味を混ぜたものが七味唐辛子である。 関連項目 †
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